アップルが初めてポッドキャストを始めた頃(何年前だったっけ?)、カリフォルニア在住の映画評論家町山智浩さんが、いかにも自宅で録音してます!って感じる、手作り感満載のポッドキャスティングをアップしていて、楽しみに聴いていた。
彼の解説を聴いて、SF映画トゥモロー・ワールド(Children of Men)のことを初めて知った。ストーリーの魅力だけでなく、映画づくりの視点からも製作者の「こだわり」や苦労について興味深く紹介されていた。
彼の解説を聴かなければ多分観ようと思わなかっただろう映画を、うんっ?観てみようかな、という気にさせてくれて、映画をより多面的に楽しむことができるような視点を提供してくれる映画評論の役割について、気づかせてくれた。(注:そっか、パースペクティブを与えてくれるって先日のブログに書いたことは、すぐれた評論にも当てはまるんだ。そのブログはこちら)
思い立って、ぼくの大好きなSF映画について、日本人映画評論家の解説をYoutubeで検索してみる。子供の頃よく観た日曜映画劇場の淀川長治さん、月曜ロードショーの荻昌弘さんといったなつかしい顔が出てきた。近年は、いろいろな映画評論家がいるであろうに、そんな中で町山智浩さんの解説がたくさん出ている。何年も前に聴いたトゥモロー・ワールドの解説も。
強引に◯◯年代を代表する作品をひとつづつ選んでみた。
60年代
淀川長治氏の解説で聴く2001年宇宙の旅(1968)
スタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick)監督
70年代
淀川長治氏の解説で聴くエイリアン(1979)
リドリー・スコット(Ridley Scott)監督
80年代
荻昌弘氏の解説で聴くブレードランナー(1982)
リドリー・スコット(Ridley Scott)監督
90年代
町山智浩氏の解説で聴くマトリックス(1999)
ウォシャウスキー兄弟(Andy Wachowski & Lana Wachowski)監督
2000年代
町山智浩氏の解説で聴くトゥモロー・ワールド(Children of Men)(2006)
アルフォンソ・キュアロン(Alfonso Cuaron)監督
2010年代
町山智浩氏の解説で聴くインセプション(2010)
クリストファー・ノーラン(Christopher Nolan)監督
(第32回)
【追記】
映画評論をするフォーマットによって言及できることも限られてくる。
尺を気にせず書きたいだけ書けるという点において、個人による情報発信は強い。
1年で365本ひたすら映画を観まくる日記という匿名ブログで、2001年宇宙の旅について映画制作の舞台裏が徹底解説されていた。
http://d.hatena.ne.jp/type-r/20130626