フェニックスの夜は早い。平日は9時を過ぎると、開いているレストランを見つけることすら難しくなる。フェニックスのナイトライフはサハラ砂漠並に不毛だと常々思っていた。

とある月曜の夜、新天地を求めてメキシコシティーに引っ越すことを決意したダンサー、アントンの送別会ということで近所のライブカフェに行くと、地元のミュージシャンたちが入れ替わり立ち代わり、R&Bのジャムセッションで盛り上がっていた。

12時過ぎにその店があがると、もう一軒いこうとアントンがいう。流れたライブハウスもR&Bバンド2組交代制で賑わっている。近所のイベントで知った地元ミュージシャン、Glenville Slimもいた。

月曜の夜から盛り上がっているナイトライフがフェニックスにも存在していることを、在フェニックス10余年にして初めて知った驚き。しかも、はしごした2軒とも普段通っているジムの目と鼻の先にあって頻繁に車で通りすぎるのに、その存在すら目に入っていなかった。

R&Bの歴史は長いとはいえ、今日的にはそんなにメジャーなジャンルではないように思うんだけど、あぁ、やっぱり本場アメリカ、R&Bの人気は根強いんだと再確認した。

写真は、有機野菜を売りながら小さなイベントスペースを提供している近所のお店のイベントで演奏するGlenville Slimと仲間たち。

(第34回)

*REVOLVER dino network 投稿 | 編集