繁栄の残像〜ウィンスロー、アリゾナ

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途中予想外の交通渋滞につかまって、へとへとになって辿り着いた金曜の夜のウィンスローは、し〜んと静まり返っていた。時折通る貨物列車の音だけが遠くでカタカタと響いている。

宿泊先のラ・ポサダ・ホテル(La Posada Hotel)はどこだ、どこだ。1930年にオープンした歴史あるステーションホテルだという。

闇にまぎれて真っ黒な影のような大きな建物が見えてきた。チェックインをしてから部屋に着くまでが長かった。角々に古めかしい不思議な空間がひろがり、壁には不気味な画が掛かっている。大陸横断鉄道全盛の頃には、様々な旅人たちでさぞや賑わっていたことだろう。

ここは、幽霊屋敷かぁ〜?栄華を極めた時代の亡霊にとりつかれたような宿。窓から外を見る。

ところが意外にぐっすり安眠できた。ホテルのダークさと比べて自分の心のなかの闇がとるに足らないほど小さく感じられるせいなのか。

翌朝は、観光スポットになっている、イーグルスの名曲「Take It Easy」をモチーフにした町一番の交差点へ行ってみた。ウィンスローはルート66沿いの町としても知られる。

「ルート66」には多くの年輩の人たちにとって特別な想いがあるらしい。全長は3,755km。シカゴとロサンゼルスを結び、同国南西部の発展を促した重要な国道であったが、1985年に州間高速道路の発達によりその役目を終え廃線となった。20世紀中盤の映画や音楽などポップ・カルチャーの中にも多く登場し、多くの人々に愛された道であったことがうかがえる、とウィキペディアにあった。

小さな町を散策してみる。廃墟になった建物や老人が目につく。

鉄道旅客輸送の衰退とともに、時代の流れに取り残されていった町なのか、ウィンスロー。

*REVOLVER dino network 投稿 | 編集