思いもかけないような幸せな風景に遭遇して興奮する〜Lees Ferry

ブログ

「(グランドキャニオン)ノースリムに行くんだったら、道中、コロラド川のほとりまで車で降りていけるスポットがあるから、是非行ってみるといいですよ」とホピのギフトショップのご主人が勧めてくれた。地図にマーカーで印をつけてくれる。そこには「Lees Ferry」と書かれていた。初めて聞く地名だった。グランドキャニオンのラフティングツアーは、ここを起点とするらしい。

日曜の午後おそく、ノースリムからフェニックスに帰る道すがら、ご主人のアドバイスにしたがって、立ち寄ってみることにした。89A号線から分かれる道はなんなく見つかった。数分行くと、なんと入場料を払えとなっている。まぁいいか。

そこからおよそ15分、あいかわらず乾燥しきった風景のなか、舗装し直したばかりのスムーズな道路を緩やかに下って行く。

どんづまりっぽい駐車場に車を止めて、川に向かって1−2分ほども歩くと、突然目の前に想像していなかったような風景が出現した。

ほのかに赤みがかった白い砂浜にさざ波がやさしくうちつけている。家族連れが楽しそうに水辺で遊んでいる。釣りをしている人もいたので、何が釣れるんですかと聞くと、レインボートラウトだと教えてくれる。

川遊びをしている人たちの大方は、ネイティブアメリカン。その中に、ぼくのように、迷い込んだ観光客がぽつぽつと混じっている。

ぼくも靴を脱いで川の水を感じてみる。川の流れも勢いがよいせいか、一瞬ひやっとするほど冷たかった。汗ばむほど気温が高く、砂浜もぽかぽかなので気持ちよい。

フェニックスまで、まだ4−5時間のドライブが待っているとわかっていても、あまりにも幸せな光景で、なかなか立ち去りがたい。

両岸に迫る断崖絶壁の長い影が、一足早い午後の終わりを告げている。人影もだんだん少なくなり、気づけば、キャンプをする家族と数名だけになっている。人気の少なくなった風景を撮影して、ぼくも家路についた。

フラッグスタッフで小休止を取り、フェニックスに着いたのは真夜中だった。

*REVOLVER dino network 投稿 | 編集