初めてフェニックス・コミコン(Phoenix Comicon)のことを知ったのは3年前。週末の昼下がり、散髪を終えダウンタウンをとろとろ運転していると、フェニックス・コンベンションセンターの近くでアニメから飛び出したような一群に遭遇し、びっくりした。

翌日、興味半分で見に行ってみると、来場者の多くが、はんぱなくコスチュームに身をつつみ、紫やピンクの髪にしてコンベンションセンターを埋め尽くしている。日本ではコスプレが流行っていることは知っていたが、アメリカでも大ブームになっているらしい。頭がくらくらしてきた。

地下メイン会場に降りるエスカレーターの横で、ダンボールで作った公衆電話ボックスに入って胡座をかいている男装の女の子がいたので、横にいたお父さんとおぼしき男性に話を聞いてみると、やはりそうで、娘さんが扮しているのはドクター・フーだと教えてくれた。ふたり娘のたっての願いで、わざわざコロラド州デンバーから家族でやって来たという。おとうさんもたいへん。

2002年、とあるホテルの一室でじみ〜なイベントとして始まったものが、今では、アリゾナで開催される催しとしては最大級にまで成長。今年は6月5ー8日の4日間で7万人もの来場が見込まれているとニュースに書いてあった。へぇ〜。

今日は最終日。時間があったので、ちょっと行ってみた。たしかにすごい人出だ。3年前、デンバーのドクター・フーが陣取っていたあたりは、芋の子を洗うような込み具合で、ダンボールの公衆電話ボックスなど一瞬にしてぐちゃぐちゃにされてしまいそう。3年前はそれなりにのどかだったということか。

3年前の人気フィギュア、ドクター・フーに扮している人には出会わなかった。やっぱり流行りすたりがあるのかな。こうして写真で見直してみると、みんながみんなコスチュームに身をつつんでいるわけではない、ということに気づく。気合の入った人はもちろんだが、帽子程度で軽いコスプレをしている人や、だらっと普段着できている人など様々だ。

それにしても、会場に溢れるこの熱気はなんなのだ。

なぜかチェロ持参。やはりコスプレの一種?

(第18回)

【追記1】

ドクター・フー(Dr. Who)は1963年から、イギリスBBCで放映されている長寿SFTVドラマシリーズ。

お恥ずかしい。公衆電話ボックスだとすっかり思いこんでいたのは、実は60年代のポリスボックスを模したものだそうだ。ドクター・フーはこれに乗ってタイムトラベルをする。

また、ドクター・フー少女が手に持っているのは、ソニックスクリュードライバーというアイテムで、物体の調査や破壊、あらゆる扉の開閉ができる。また、機械の遠隔操作やお金を引き出すなどさまざまな作業が行うことが可能である。(ウィキペディアに感謝)

【追記2】

ブログを書きながら、コミコン=コスプレ・パーティーのようなものとして捉えている自分に若干ひっかかるものがあった。改めてウィキペディアを見ると、コミコンは漫画などの大衆文化に関するコンベンションとある。コスプレはコミコンの重要な一面であることには違いはないと思うけど、それだけではないわけで、コミコンの性格をやや歪曲して捉えていたようで反省する。

コミコン・インターナショナルという非営利団体がサンディエゴにあって、どうもコンベンションとしてのコミコンの発祥はここのようだ。当初はコミックやSF・ファンタジー映画などが中心だったが、年を追うごとに文化の幅を広げ、1日に約12万5千人が来場するコンベンションに成長している、とウィキに記載されている。ということは、フェニックス・コミコンなどまだかわいいもんだな。

日本語でググってみたら、サンディエゴの他、ニューヨークや、はたまたタイのバンコクや中東はドバイにまでコミコンは広がっているらしい。日本で同様のイベントはコミックマーケット84というらしい。とにかく、コミコン&コスプレの波は世界に広がっている。

*REVOLVER dino network 投稿 | 編集